.NET デプロイのテスト

前提条件

概要

本節では Docker Desktop を使って、開発マシン上に実現されている Kubernetes のフル機能環境に向けたアプリケーションのデプロイ方法について学びます。 これによってデプロイ前に Kubernetes 上のワークロードをローカルにおいてテスト、デバッグすることができます。

Kubernetes YAML ファイルの生成

docker-dotnet-sample ディレクトリ内に docker-dotnet-kubernetes.yaml という名のファイルを生成します。 このファイルを IDE またはテキストエディターで開きます。 そして以下に示す内容を記述します。 DOCKER_USERNAME/REPO_NAME の部分は、自分の Docker ユーザー名、および .NET アプリケーション向け CI/CD の設定 において生成したリポジトリ名に置き換えてください。

apiVersion: apps/v1
kind: Deployment
metadata:
  labels:
    service: server
  name: server
  namespace: default
spec:
  replicas: 1
  selector:
    matchLabels:
      service: server
  strategy: {}
  template:
    metadata:
      labels:
        service: server
    spec:
      initContainers:
        - name: wait-for-db
          image: busybox:1.28
          command:
            [
              "sh",
              "-c",
              'until nc -zv db 5432; do echo "waiting for db"; sleep 2; done;',
            ]
      containers:
        - image: DOCKER_USERNAME/REPO_NAME
          name: server
          imagePullPolicy: Always
          ports:
            - containerPort: 80
              hostPort: 8080
              protocol: TCP
          resources: {}
      restartPolicy: Always
status: {}
---
apiVersion: apps/v1
kind: Deployment
metadata:
  labels:
    service: db
  name: db
  namespace: default
spec:
  replicas: 1
  selector:
    matchLabels:
      service: db
  strategy:
    type: Recreate
  template:
    metadata:
      labels:
        service: db
    spec:
      containers:
        - env:
            - name: POSTGRES_DB
              value: example
            - name: POSTGRES_PASSWORD
              value: example
          image: postgres
          name: db
          ports:
            - containerPort: 5432
              protocol: TCP
          resources: {}
      restartPolicy: Always
status: {}
---
apiVersion: v1
kind: Service
metadata:
  labels:
    service: server
  name: server
  namespace: default
spec:
  type: NodePort
  ports:
    - name: "8080"
      port: 8080
      targetPort: 80
      nodePort: 30001
  selector:
    service: server
status:
  loadBalancer: {}
---
apiVersion: v1
kind: Service
metadata:
  labels:
    service: db
  name: db
  namespace: default
spec:
  ports:
    - name: "5432"
      port: 5432
      targetPort: 5432
  selector:
    service: db
status:
  loadBalancer: {}

この Kubernetes YAML ファイルには --- によって区切られた 2 つのオブジェクトがあります。 それとは別にデータベース用の Service と Deployment があります。 2 つのオブジェクトとは以下です。

  • デプロイメント。 スケール可能なポッドグループを記述します。 ここではレプリカを 1 とします。 つまりポッドを 1 つコピーします。 そのポッドは以下において template と記述されるものであり、その中にただ 1 つのコンテナーを持ちます。 このコンテナーは .NET アプリケーション向け CI/CD の設定 において GitHub アクションによってビルドしたイメージから生成されるものです。
  • NodePort サービス。 これはホスト上のポート 30001 をポッド内のポート 8080 にトラフィックをルーティングします。 これによってネットワークからアプリにアクセスできるようになります。

Kubernetes オブジェクトについての詳細は Kubernetes ドキュメント を参照してください。

アプリケーションのデプロイとチェック

  1. 端末において docker-dotnet-sample に移動し、アプリケーションを Kubernetes にデプロイします。

    $ kubectl apply -f docker-dotnet-kubernetes.yaml
    

    実行結果は以下のようになるはずです。 つまり Kubernetes オブジェクトは正常に生成されたはずです。

    deployment.apps/db created
    service/db created
    deployment.apps/server created
    service/server created
  2. デプロイの一覧を表示して、すべてがうまく動作していることを確認します。

    $ kubectl get deployments
    

    デプロイ結果は以下のように一覧表示されるはずです。

    NAME     READY   UP-TO-DATE   AVAILABLE   AGE
    db       1/1     1            1           76s
    server   1/1     1            1           76s

    この出力結果から、ポッドがすべて実行していることが分かります。 今回のサービスに関しても同じく確認します。

    $ kubectl get services
    

    以下のような出力結果が得られるはずです。

    NAME         TYPE        CLUSTER-IP      EXTERNAL-IP   PORT(S)          AGE
    db           ClusterIP   10.96.156.90    <none>        5432/TCP         2m8s
    kubernetes   ClusterIP   10.96.0.1       <none>        443/TCP          164m
    server       NodePort    10.102.94.225   <none>        8080:30001/TCP   2m8s

    デフォルトの kubernetes サービスに加えて servicedb いうサービスが表示されます。 service サービスはポート 30001/TCP のトラフィックを受けつけます。

  3. ブラウザーを開いて localhost:30001 にアクセスします。 アプリケーションを確認することができます。

  4. 以下のコマンドを実行してアプリケーションを終了します。

    $ kubectl delete -f docker-dotnet-kubernetes.yaml
    

まとめ

本節では Docker Desktop を使って、開発マシン上に実現されている Kubernetes のフル機能環境に向けたアプリケーションのデプロイ方法について学びました。

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