docker node ls
内容説明 | Swarm 内ノードを一覧表示します。 |
---|---|
利用方法 | docker node ls [OPTIONS] |
エイリアス | docker node list |
Swarm このコマンドは Swarm オーケストレーターにおいて動作します。
内容説明
Docker Swarm マネージャーが管理するノードを一覧表示します。
-f
または --filter
フラグを使えばフィルター検索を行うことができます。
フィルター検索時のオプションの詳細は
フィルター検索 の節を参照してください。
メモ
これはクラスター管理コマンドであるため、Swarm のマネージャーノード上で実行する必要があります。 マネージャーノードとワーカーノードについては、本ドキュメントの Swarm モード を参照してください。
オプション
オプション | デフォルト | 内容説明 |
---|---|---|
-f, --filter | 指定された条件に基づいてフィルター検索を行います。 | |
--format | カスタムテンプレートを使って出力をフォーマットします。 'table': カラムヘッダー付きの表形式により出力します。(デフォルト) 'table TEMPLATE': 指定された Go テンプレートを使って表形式により出力します。 'json': JSON 書式により出力します。 'TEMPLATE': 指定された Go テンプレートを使って出力します。 テンプレートを使ったフォーマット出力の詳細は https://matsuand.github.io/docker.docs-ja/engine/cli/formatting/ を参照してください。 | |
-q, --quiet | ID のみを表示します。 |
利用例
$ docker node ls
ID HOSTNAME STATUS AVAILABILITY MANAGER STATUS
1bcef6utixb0l0ca7gxuivsj0 swarm-worker2 Ready Active
38ciaotwjuritcdtn9npbnkuz swarm-worker1 Ready Active
e216jshn25ckzbvmwlnh5jr3g * swarm-manager1 Ready Active Leader
メモ
上の例における出力では、隠れ項目として.Selfがあります。 そのノードが、カレントな Docker デーモンとしてのノードであることを表わします。 アスタリスク
*
(例ではe216jshn25ckzbvmwlnh5jr3g *
) は、それがカレントな Docker デーモンのノードであることを意味しています。
フィルター検索 (--filter)
フィルターフラグ (-f
または --filter
) の書式は "key=value" ペアとして指定します。
フィルターが複数必要な場合は、フラグを複数回指定します (たとえば --filter "foo=bar" --filter "bif=baz"
とします)。
現在サポートされているフィルターは以下のとおりです。
id
id
フィルターは、ノード ID の全部または一部を検索します。
$ docker node ls -f id=1
ID HOSTNAME STATUS AVAILABILITY MANAGER STATUS
1bcef6utixb0l0ca7gxuivsj0 swarm-worker2 Ready Active
label
label
フィルターは engine ラベルに対応するノードを検索するものであり、label
のみが存在するノードか、あるいは label
と値が存在するノードに対しての検索を行います。
Engine ラベルは
デーモン設定 において設定されます。
Swarm の node
ラベルを検索する場合は、これではなく
node.label
を用いてください。
以下の例では foo
ラベルを持ったノードを検索します。
この場合、その値の内容は問いません。
$ docker node ls -f "label=foo"
ID HOSTNAME STATUS AVAILABILITY MANAGER STATUS
1bcef6utixb0l0ca7gxuivsj0 swarm-worker2 Ready Active
node.label
node.label
フィルターはノードラベルを検索するものであり、node.label
のみが存在するノードか、あるいは node.label
と値が存在するノードに対しての検索を行います。
以下のフィルターでは、各ノードに対して region
というノードラベルを更新します。
$ docker node update --label-add region=region-a swarm-test-01
$ docker node update --label-add region=region-a swarm-test-02
$ docker node update --label-add region=region-b swarm-test-03
$ docker node update --label-add region=region-b swarm-test-04
以下は region
というノードラベルを持つノードをすべて検索します。
$ docker node ls --filter node.label=region
ID HOSTNAME STATUS AVAILABILITY MANAGER STATUS ENGINE VERSION
yg550ettvsjn6g6t840iaiwgb * swarm-test-01 Ready Active Leader 23.0.3
2lm9w9kbepgvkzkkeyku40e65 swarm-test-02 Ready Active Reachable 23.0.3
hc0pu7ntc7s4uvj4pv7z7pz15 swarm-test-03 Ready Active Reachable 23.0.3
n41b2cijmhifxxvz56vwrs12q swarm-test-04 Ready Active 23.0.3
以下は region
というノードラベルを持ち、かつ値として region-a
を持つものを検索します。
$ docker node ls --filter node.label=region=region-a
ID HOSTNAME STATUS AVAILABILITY MANAGER STATUS ENGINE VERSION
yg550ettvsjn6g6t840iaiwgb * swarm-test-01 Ready Active Leader 23.0.3
2lm9w9kbepgvkzkkeyku40e65 swarm-test-02 Ready Active Reachable 23.0.3
membership
membership
フィルターは membership
というラベルが存在するノードであって、その値が accepted
か pending
であるものを検索します。
以下の例では membership
ラベルに対して accepted
が設定されているノードを検索します。
$ docker node ls -f "membership=accepted"
ID HOSTNAME STATUS AVAILABILITY MANAGER STATUS
1bcef6utixb0l0ca7gxuivsj0 swarm-worker2 Ready Active
38ciaotwjuritcdtn9npbnkuz swarm-worker1 Ready Active
name
name
フィルターはノード名の全部または一部を検索します。
以下のフィルター指定では swarm-master
という名前に一致するノードすべてを検索します。
$ docker node ls -f name=swarm-manager1
ID HOSTNAME STATUS AVAILABILITY MANAGER STATUS
e216jshn25ckzbvmwlnh5jr3g * swarm-manager1 Ready Active Leader
role
role
フィルターは role
というラベルが存在するノードであって、その値が worker
か manager
であるものを検索します。
以下の例では manager
ロールが設定されているノードを検索します。
$ docker node ls -f "role=manager"
ID HOSTNAME STATUS AVAILABILITY MANAGER STATUS
e216jshn25ckzbvmwlnh5jr3g * swarm-manager1 Ready Active Leader
フォーマット指定 (--format)
フォーマットオプション (--format
) の指定により、Go 言語テンプレートを使ったわかりやすい検索結果を得ることができます。
Go 言語テンプレートによるプレースホルダー(placeholder)は以下のとおりです。
プレースホルダー | 内容説明 |
---|---|
.ID | ノード ID |
.Self | デーモンノード (true/false , true は現在の Docker デーモンとノードが同一であることを表わす) |
.Hostname | ノードホスト名 |
.Status | ノードのステータス |
.Availability | ノードの利用状況 ("active", "pause", "drain") |
.ManagerStatus | ノードのマネージャーステータス |
.TLSStatus | ノードの TLS ステータス ("Ready", または "Needs Rotation" は TLS 証明書が古い CA により署名されている) |
.EngineVersion | Engine バージョン |
--format
オプションを利用すると node ls
コマンドは、テンプレートが定めるデータを直接出力します。
あるいは table
ディレクティブを指定していれば、カラムヘッダーも同時に出力されます。
以下はヘッダーを含めずにテンプレートを利用する例です。
すべてのノードにおける ID
、Hostname
、TLS Status
の各項目がコロン (:
) で区切られて表示されます。
$ docker node ls --format "{{.ID}}: {{.Hostname}} {{.TLSStatus}}"
e216jshn25ckzbvmwlnh5jr3g: swarm-manager1 Ready
35o6tiywb700jesrt3dmllaza: swarm-worker1 Needs Rotation
ノードすべてを JSON 書式により一覧表示するには json
ディレクティブを用います。
$ docker node ls --format json
{"Availability":"Active","EngineVersion":"23.0.3","Hostname":"docker-desktop","ID":"k8f4w7qtzpj5sqzclcqafw35g","ManagerStatus":"Leader","Self":true,"Status":"Ready","TLSStatus":"Ready"}