docker image prune

読む時間の目安: 4 分

説明

未使用のイメージを削除します。

API 1.25 以上  このコマンドを利用するには、クライアントとデーモンの API はともに、最低でも 1.25 である必要があります。 クライアント上においてdocker versionコマンドを実行して、クライアントとデーモンの API バージョンを確認してください。

利用方法

$ docker image prune [オプション]

追加説明

未使用のイメージを削除します。 -a を指定すると、どのコンテナーからも参照されていないイメージを含めてすべてが削除されます。

本コマンドの利用例については、以下に示す 利用例の節 を参照してください。

オプション

名前/省略形 デフォルト 説明
--all , -a タグづけなし、参照なしを問わず、未使用のイメージをすべて削除します。
--filter フィルター値を定めます。(たとえば 'until=<timestamp>')
--force , -f 確認のためのプロンプトを表示しません。

利用例

利用例

$ docker image prune -a

WARNING! This will remove all images without at least one container associated to them.
Are you sure you want to continue? [y/N] y
Deleted Images:
untagged: alpine:latest
untagged: alpine@sha256:3dcdb92d7432d56604d4545cbd324b14e647b313626d99b889d0626de158f73a
deleted: sha256:4e38e38c8ce0b8d9041a9c4fefe786631d1416225e13b0bfe8cfa2321aec4bba
deleted: sha256:4fe15f8d0ae69e169824f25f1d4da3015a48feeeeebb265cd2e328e15c6a869f
untagged: alpine:3.3
untagged: alpine@sha256:4fa633f4feff6a8f02acfc7424efd5cb3e76686ed3218abf4ca0fa4a2a358423
untagged: my-jq:latest
deleted: sha256:ae67841be6d008a374eff7c2a974cde3934ffe9536a7dc7ce589585eddd83aff
deleted: sha256:34f6f1261650bc341eb122313372adc4512b4fceddc2a7ecbb84f0958ce5ad65
deleted: sha256:cf4194e8d8db1cb2d117df33f2c75c0369c3a26d96725efb978cc69e046b87e7
untagged: my-curl:latest
deleted: sha256:b2789dd875bf427de7f9f6ae001940073b3201409b14aba7e5db71f408b8569e
deleted: sha256:96daac0cb203226438989926fc34dd024f365a9a8616b93e168d303cfe4cb5e9
deleted: sha256:5cbd97a14241c9cd83250d6b6fc0649833c4a3e84099b968dd4ba403e609945e
deleted: sha256:a0971c4015c1e898c60bf95781c6730a05b5d8a2ae6827f53837e6c9d38efdec
deleted: sha256:d8359ca3b681cc5396a4e790088441673ed3ce90ebc04de388bfcd31a0716b06
deleted: sha256:83fc9ba8fb70e1da31dfcc3c88d093831dbd4be38b34af998df37e8ac538260c
deleted: sha256:ae7041a4cc625a9c8e6955452f7afe602b401f662671cea3613f08f3d9343b35
deleted: sha256:35e0f43a37755b832f0bbea91a2360b025ee351d7309dae0d9737bc96b6d0809
deleted: sha256:0af941dd29f00e4510195dd00b19671bc591e29d1495630e7e0f7c44c1e6a8c0
deleted: sha256:9fc896fc2013da84f84e45b3096053eb084417b42e6b35ea0cce5a3529705eac
deleted: sha256:47cf20d8c26c46fff71be614d9f54997edacfe8d46d51769706e5aba94b16f2b
deleted: sha256:2c675ee9ed53425e31a13e3390bf3f539bf8637000e4bcfbb85ee03ef4d910a1

Total reclaimed space: 16.43 MB

フィルター検索

フィルターフラグ(--filter)の指定書式は「キー=値」というものです。 複数のフィルターが必要な場合は、フラグを複数指定します。 (たとえば --filter "foo=bar" --filter "bif=baz" など。)

現在サポートされているフィルターは以下のとおりです。

  • until (<timestamp>) - 指定されたタイムスタンプ以前に生成されたイメージのみ削除します。
  • label (label=<key>, label=<key>=<value>, label!=<key>, or label!=<key>=<value>) - 指定されたラベルが利用されている(あるいは label!=... 利用時はそのラベルが利用されていない)イメージのみを削除します。

until フィルターは Unix 時間から生成されるタイムスタンプや日付、Go 言語の時間文字列 (たとえば 10m, 1h30m)を、デーモンマシンの時刻との相対的な差異によって計算されます。 タイムスタンプから生成される日付の書式として、RFC3339Nano、RFC3339、2006-01-02T15:04:052006-01-02T15:04:05.9999999992006-01-02Z07:002006-01-02 などがサポートされます。 タイムスタンプの最後に Z やタイムゾーンオフセット +-00:00 が指示されていなかった場合は、デーモンが利用しているタイムゾーンが用いられます。 Unix 時間を指定する場合は seconds[.nanoseconds]([秒.ナノ秒])の書式とします。 ここで秒には 1970 年 1 月 1 日(UTC/GMT の真夜中)からの経過秒数値を指定し、うるう秒を含めません(Unix エポックまたは Unix タイムとも言われる)。 そしてナノ秒には、8桁以下の秒の少数値を指定します。

label フィルターは 2 つの書式をとります。 1 つは label=...label=<key> または label=<key>=<value>)であり、ここに指定されたラベルを持ったイメージが削除されます。 もう 1 つは label!=...label!=<key> または label!=<key>=<value>)であり、ここに指定されたラベル以外を持ったイメージが削除されます。

何が削除されるかを確認してください

肯定的なフィルタリング(ラベルが存在するかを確認する、あるいはラベルに特定値が設定されていることを確認する検索)を行う場合は、目的のフィルタリング文法を docker image ls に適用して、どのイメージが抽出されるかを確認してください。

逆に否定的なフィルタリング(ラベルが存在しないことを確認する、あるいはラベルに特定値が設定 されていない ことを確認する検索)を行う場合、そういったフィルターは docker image ls に指定することができません。 したがってどのイメージを削除することになるのか、簡単には確認ができません。 なお docker image prune では --filter を使っていても、未参照の(dangling の)イメージはすべて削除されることが、警告の意味で確認プロンプトが表示されます。

以下では 2017-01-04T00:00:00 より以前に生成されたイメージを削除します。

$ docker images --format 'table {{.Repository}}\t{{.Tag}}\t{{.ID}}\t{{.CreatedAt}}\t{{.Size}}'
REPOSITORY          TAG                 IMAGE ID            CREATED AT                      SIZE
foo                 latest              2f287ac753da        2017-01-04 13:42:23 -0800 PST   3.98 MB
alpine              latest              88e169ea8f46        2016-12-27 10:17:25 -0800 PST   3.98 MB
busybox             latest              e02e811dd08f        2016-10-07 14:03:58 -0700 PDT   1.09 MB

$ docker image prune -a --force --filter "until=2017-01-04T00:00:00"

Deleted Images:
untagged: alpine:latest
untagged: alpine@sha256:dfbd4a3a8ebca874ebd2474f044a0b33600d4523d03b0df76e5c5986cb02d7e8
untagged: busybox:latest
untagged: busybox@sha256:29f5d56d12684887bdfa50dcd29fc31eea4aaf4ad3bec43daf19026a7ce69912
deleted: sha256:e02e811dd08fd49e7f6032625495118e63f597eb150403d02e3238af1df240ba
deleted: sha256:e88b3f82283bc59d5e0df427c824e9f95557e661fcb0ea15fb0fb6f97760f9d9

Total reclaimed space: 1.093 MB

$ docker images --format 'table {{.Repository}}\t{{.Tag}}\t{{.ID}}\t{{.CreatedAt}}\t{{.Size}}'

REPOSITORY          TAG                 IMAGE ID            CREATED AT                      SIZE
foo                 latest              2f287ac753da        2017-01-04 13:42:23 -0800 PST   3.98 MB

以下では、10 日以上(240h)前に生成されたイメージを削除します。

$ docker images

REPOSITORY          TAG                 IMAGE ID            CREATED             SIZE
foo                 latest              2f287ac753da        14 seconds ago      3.98 MB
alpine              latest              88e169ea8f46        8 days ago          3.98 MB
debian              jessie              7b0a06c805e8        2 months ago        123 MB
busybox             latest              e02e811dd08f        2 months ago        1.09 MB
golang              1.7.0               138c2e655421        4 months ago        670 MB

$ docker image prune -a --force --filter "until=240h"

Deleted Images:
untagged: golang:1.7.0
untagged: golang@sha256:6765038c2b8f407fd6e3ecea043b44580c229ccfa2a13f6d85866cf2b4a9628e
deleted: sha256:138c2e6554219de65614d88c15521bfb2da674cbb0bf840de161f89ff4264b96
deleted: sha256:ec353c2e1a673f456c4b78906d0d77f9d9456cfb5229b78c6a960bfb7496b76a
deleted: sha256:fe22765feaf3907526b4921c73ea6643ff9e334497c9b7e177972cf22f68ee93
deleted: sha256:ff845959c80148421a5c3ae11cc0e6c115f950c89bc949646be55ed18d6a2912
deleted: sha256:a4320831346648c03db64149eafc83092e2b34ab50ca6e8c13112388f25899a7
deleted: sha256:4c76020202ee1d9709e703b7c6de367b325139e74eebd6b55b30a63c196abaf3
deleted: sha256:d7afd92fb07236c8a2045715a86b7d5f0066cef025018cd3ca9a45498c51d1d6
deleted: sha256:9e63c5bce4585dd7038d830a1f1f4e44cb1a1515b00e620ac718e934b484c938
untagged: debian:jessie
untagged: debian@sha256:c1af755d300d0c65bb1194d24bce561d70c98a54fb5ce5b1693beb4f7988272f
deleted: sha256:7b0a06c805e8f23807fb8856621c60851727e85c7bcb751012c813f122734c8d
deleted: sha256:f96222d75c5563900bc4dd852179b720a0885de8f7a0619ba0ac76e92542bbc8

Total reclaimed space: 792.6 MB

$ docker images

REPOSITORY          TAG                 IMAGE ID            CREATED              SIZE
foo                 latest              2f287ac753da        About a minute ago   3.98 MB
alpine              latest              88e169ea8f46        8 days ago           3.98 MB
busybox             latest              e02e811dd08f        2 months ago         1.09 MB

以下では deprecated というラベルがつけられたイメージを削除します。

$ docker image prune --filter="label=deprecated"

以下では maintainer というラベルに john という値が設定されているイメージを削除します。

$ docker image prune --filter="label=maintainer=john"

以下では maintainer というラベル持たないイメージを削除します。

$ docker image prune --filter="label!=maintainer"

以下では maintainer というラベルに john という値が設定されていないイメージを削除します。

$ docker image prune --filter="label!=maintainer=john"

メモ

prune コマンドが削除を行う際には確認プロンプトが表示されます。 ただし削除されるすべてのイメージ一覧が表示されるわけではありません。 さらに docker image ls では否定的なフィルター検索はサポートされません。 したがって具体的にどのイメージが削除されるのかを、あらかじめ確認することは困難です。

上位コマンド

コマンド 説明
docker image イメージを管理します。
コマンド 説明
docker image build Dockerfile からイメージをビルドします。
docker image history イメージの履歴を表示します。
docker image import tarball の内容をインポートしてファイルシステムイメージを生成します。
docker image inspect 1 つまたは複数イメージの詳細情報を表示します。
docker image load tar アーカイブまたは標準入力からイメージをロードします。
docker image ls イメージの一覧を出力します。
docker image prune 未使用のイメージを削除します。
docker image pull イメージまたはレポジトリをレジストリからプルします。
docker image push イメージやリポジトリをレジストリにプッシュします。
docker image rm 1 つまたは複数イメージを削除します。
docker image save 1 つまたは複数イメージを tar アーカイブに保存します(デフォルトで STDOUT へストリーム出力します)。
docker image tag ソースイメージを参照するタグを生成します。