docker node ls
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説明
Swarm 内ノードを一覧表示します。
API 1.24 以上
このコマンドを利用するには、クライアントとデーモンの API はともに、最低でも
1.24
である必要があります。
クライアント上においてdocker versionコマンドを実行して、クライアントとデーモンの API バージョンを確認してください。
Swarm このコマンドは Swarm オーケストレーターにおいて動作します。
利用方法
$ docker node ls [オプション]
追加説明
Swarm マネージャーが管理するノードを一覧表示します。
-fまたは--filterフラグを使ってフィルター検索を行うことができます。
フィルター検索時のオプションの詳細は フィルター検索 の節を参照してください。
メモ
これはクラスター管理コマンドであるため、Swarm のマネージャーノード上で実行する必要があります。 マネージャーノードとワーカーノードについては、本ドキュメントの Swarm モード を参照してください。
本コマンドの利用例については、以下に示す 利用例の節 を参照してください。
オプション
| 名前/省略形 | デフォルト | 説明 |
--filter , -f |
指定された条件に基づいてフィルター検索を行います。 | |
--format |
Go 言語テンプレートを使って出力をフォーマットします。 | |
--quiet , -q |
ID のみを表示します。 |
利用例
$ docker node ls
ID HOSTNAME STATUS AVAILABILITY MANAGER STATUS
1bcef6utixb0l0ca7gxuivsj0 swarm-worker2 Ready Active
38ciaotwjuritcdtn9npbnkuz swarm-worker1 Ready Active
e216jshn25ckzbvmwlnh5jr3g * swarm-manager1 Ready Active Leader
メモ
上の例における出力では、隠れ項目として
.Selfがあります。 そのノードが、カレントな Docker デーモンとしてのノードであることを表わします。 アスタリスク*(例ではe216jshn25ckzbvmwlnh5jr3g *)は、それがカレントな Docker デーモンのノードであることを意味しています。
フィルター検索
フィルターフラグ(-fまたは--filter)の指定書式は「キー=値」というものです。
複数のフィルターが必要な場合は、フラグを複数指定します。
(たとえば--filter "foo=bar" --filter "bif=baz"など。)
現在サポートされているフィルターは以下のとおりです。
id フィルター
idフィルターは、ノード ID の全部または一部を検索します。
$ docker node ls -f id=1
ID HOSTNAME STATUS AVAILABILITY MANAGER STATUS
1bcef6utixb0l0ca7gxuivsj0 swarm-worker2 Ready Active
label フィルター
labelフィルターは、Engine のlabelだけが存在する、あるいはlabelとその値が存在するノードを検索します。
Engine ラベルは デーモン設定 において定めます。
Swarm のnodeラベルに対しての検索は、これではなく node.label を用います。
以下の例ではfooラベルを持ったノードを抽出します。
この場合、その値の内容は問いません。
$ docker node ls -f "label=foo"
ID HOSTNAME STATUS AVAILABILITY MANAGER STATUS
1bcef6utixb0l0ca7gxuivsj0 swarm-worker2 Ready Active
node.label フィルター
node.labelフィルターはノードラベルに対応するノードを検索します。
node.labelのみの場合と、node.labelかつその値を指定した検索が可能です。
以下のフィルターでは、各ノードに対してregionというノードラベルを設定します。
$ docker node update --label-add region=region-a swarm-test-01
$ docker node update --label-add region=region-a swarm-test-02
$ docker node update --label-add region=region-b swarm-test-03
$ docker node update --label-add region=region-b swarm-test-04
regionというノードラベルを持つノードをすべて検索します。
$ docker node ls --filter node.label=region
ID HOSTNAME STATUS AVAILABILITY MANAGER STATUS ENGINE VERSION
yg550ettvsjn6g6t840iaiwgb * swarm-test-01 Ready Active Leader 20.10.2
2lm9w9kbepgvkzkkeyku40e65 swarm-test-02 Ready Active Reachable 20.10.2
hc0pu7ntc7s4uvj4pv7z7pz15 swarm-test-03 Ready Active Reachable 20.10.2
n41b2cijmhifxxvz56vwrs12q swarm-test-04 Ready Active 20.10.2
regionというノードラベルを持ち、かつ値としてregion-aを持つものを検索します。
$ docker node ls --filter node.label=region=region-a
ID HOSTNAME STATUS AVAILABILITY MANAGER STATUS ENGINE VERSION
yg550ettvsjn6g6t840iaiwgb * swarm-test-01 Ready Active Leader 20.10.2
2lm9w9kbepgvkzkkeyku40e65 swarm-test-02 Ready Active Reachable 20.10.2
membership フィルター
membershipフィルターは、membershipというラベルが存在するノードであって、その値がacceptedかpendingであるものを検索します。
以下の例では、membershipラベルにおいてacceptedが設定されているノードが抽出されます。
$ docker node ls -f "membership=accepted"
ID HOSTNAME STATUS AVAILABILITY MANAGER STATUS
1bcef6utixb0l0ca7gxuivsj0 swarm-worker2 Ready Active
38ciaotwjuritcdtn9npbnkuz swarm-worker1 Ready Active
name フィルター
nameフィルターは、ノード名の全部または一部を検索します。
以下のフィルター指定では、swarm-masterという名前に一致するノードすべてが検索されます。
$ docker node ls -f name=swarm-manager1
ID HOSTNAME STATUS AVAILABILITY MANAGER STATUS
e216jshn25ckzbvmwlnh5jr3g * swarm-manager1 Ready Active Leader
role フィルター
roleフィルターは、roleというラベルが存在するノードであって、その値がworkerかmanagerであるものを検索します。
以下の例では、managerロールが設定されているノードが抽出されます。
$ docker node ls -f "role=manager"
ID HOSTNAME STATUS AVAILABILITY MANAGER STATUS
e216jshn25ckzbvmwlnh5jr3g * swarm-manager1 Ready Active Leader
フォーマット設定
フォーマット設定オプション(--format)により Go 言語のテンプレートを利用して、ノードをわかりやすく出力することができます。
Go 言語テンプレートによるプレースホルダー(placeholder)は以下のとおりです。
| プレースホルダー | 内容説明 |
|---|---|
.ID |
ノード ID。 |
.Self |
デーモンノード。(true/false、true は現在の Docker デーモンとノードが同一であることを表わす) |
.Hostname |
ノードホスト名。 |
.Status |
ノードのステータス。 |
.Availability |
ノードの利用可能性。(”active”、”pause”、”drain”) |
.ManagerStatus |
ノードのマネージャーのステータス。 |
.TLSStatus |
ノードの TLS ステータス。(”Ready”、また “Needs Rotation” は TLS 証明書が古い CA により署名されている) |
.EngineVersion |
Engine バージョン。 |
--format オプションを利用すると node ls コマンドは、テンプレートが定めるデータを直接出力します。
また table ディレクティブを利用すると、カラムヘッダーも同時に出力されます。
以下は、ヘッダーを含めずにテンプレートを利用する例であり、すべてのノードにおける ID、Hostname、TLS Status の各項目がコロン(:)で区切って表示されます。
$ docker node ls --format "{{.ID}}: {{.Hostname}} {{.TLSStatus}}"
e216jshn25ckzbvmwlnh5jr3g: swarm-manager1 Ready
35o6tiywb700jesrt3dmllaza: swarm-worker1 Needs Rotation
上位コマンド
| コマンド | 説明 |
|---|---|
| docker node | Swarm ノードを管理します。 |
関連コマンド
| コマンド | 説明 |
| docker node demote | Swarm 内において 1 つあるいは複数のノードをマネージャーから降格させます。 |
| docker node inspect | 1 つまたは複数ノードに関する詳細情報を表示します。 |
| docker node ls | Swarm 内ノードを一覧表示します。 |
| docker node promote | Swarm 内において 1 つまたは複数ノードをマネージャーに昇格させます。 |
| docker node ps | 1 つまたは複数ノードにおいて実行中のタスク一覧を表示します。デフォルトはカレントノードのみです。 |
| docker node rm | 1 つまたは複数ノードを Swarm から削除します。 |
| docker node update | ノードを更新します。 |